【業務改善】在宅コールセンター運営を成功させる5つの秘訣!

近年、働き方改革やコロナ禍により、リモートワークを導入する企業が増加する中、コールセンターを在宅化する動きも高まっています。 コールセンターを在宅化した場合、人材不足の解消やBCP対策になるものの、通常のコールセンターとは異なる品質管理やセキュリティの問題が生じます。そのため、在宅コールセンターの特徴を把握し、スムーズに移行できるよう事前に計画することが欠かせません。 今回は、コールセンターの在宅化が進む理由や、導入メリット・デメリット、運営を成功させる具体的な秘訣を紹介します。コールセンターの在宅化を検討している方はぜひ参考にしてください。

在宅コールセンターとは

在宅コールセンターとは、オペレーターが自宅から架電や受電業務を行う新しい形態です。

通常のコールセンターは、自社オフィスや専門会社にコールセンターを設置し、オペレーターが出社して架電や受電業務を行います。

しかし昨今では、多くの企業で人材不足や離職率の高さが問題視されており、これらに対処するために在宅コールセンターへシフトする企業が増えています。

在宅コールセンターが増加している理由

在宅コールセンターは、新型コロナウイルスの影響によって増えました。感染リスクの低減という安全性の観点から、オフィスへの出社を避ける必要があり、在宅勤務が選択されました。

また、災害時やパンデミックなどの緊急事態で迅速な対応が求められる中、在宅コールセンターでは柔軟な対応が可能です。リモートワークにより、オペレーターの安心感とワークライフバランスの向上も期待できます。

コールセンターを在宅化するメリット

コールセンターを在宅化することで、具体的にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。コールセンターを在宅化するメリットは、大きく以下の4つが挙げられます。

  • 営業時間を延ばすことができる・BCP対策に有効
  • 離職率の低減につながる
  • コスト削減につながる

営業時間を延ばすことができる

コールセンターの在宅化により、営業時間の柔軟な拡大が可能となります。オフィスへの出社が不要なため、シフト制を導入して早朝や夜間の稼働を実現できます。

これにより、カスタマーサポート等での24時間対応や夜間対応が導入しやすくなり、顧客満足度向上につながります。

BCP対策に有効

コールセンターの在宅化は、重要なBCP対策手段となっています。

BCP(事業継続計画)とは、感染症や自然災害など緊急事態が発生した際のリスクに備えて、企業の損害を最小限に抑える戦略・計画です。

日本ではさまざまな自然災害が頻発するため、事業継続のためのリスク分散が不可欠。コールセンターを在宅化すると、全国にオペレーターを配置できるため、地理的なリスクを分散し、万一のトラブルの際でも事業への影響を最小限に抑えることができます。

離職率の低減につながる

「コールセンター白書2020年」によると、コールセンター業界は年間離職率30%以上の企業が約3割。さらにその原因は主に精神的なストレスとされています。

コールセンターの在宅化は、通勤や人間関係の負担を軽減し、オペレーターのワークライフバランスが向上します。勤務時間の柔軟性や家庭との両立により、オペレーターの離職率低下が期待できます。

また働きやすい環境を整えることで、生産性の向上や業務効率化にもつながります。

参考:株式会社リックテレコム「コールセンター白書2020年」

コスト削減につながる

コールセンターの在宅化は、企業にとって多くのコスト削減のメリットがあります。

・地代家賃
オフィスの縮小、サテライトオフィス、コワーキングスペースの利用により家賃の削減に貢献。

・オフィス経費
光熱費や備品費、消耗品費などのオフィス経費も在宅ワークの定着によって節約可能。

・採用費
家庭の事情で退職せざるを得ない人材が減り採用費の削減につながる。

コールセンターを在宅化するデメリット

コールセンターの在宅化は、メリットも多い反面、以下のようなデメリットも少なからずあります。

  • コミュニケーション不足に陥る可能性
  • 応対品質の低下の可能性
  • セキュリティリスクへの対応の必要性

コールセンターの在宅化を検討している方は、デメリットも考慮した上で運営を行いましょう。コールセンターの在宅化は、企業にとって多くのコスト削減のメリットがあります。

コミュニケーション不足に陥る可能性

在宅コールセンターの課題の1つは、コミュニケーション不足です。スタッフ同士のコミュニケーション不足は従業員満足度を悪化させ、退職率にも影響します。

センター内のコミュニケーションを活性化し、スタッフの心のケアと帰属意識向上が重要です。テレビ電話やチャット、テレビ会議で密にコミュニケーションを取ることやWebサンクスカードサービスを活用して、スタッフ同士の連帯感を高める方法もあります。

応対品質の低下の可能性

在宅コールセンターの場合、オペレーターが同じマニュアルに基づいて対応しますが、イレギュラーへの対応や情報共有に課題があります。

とくに、新人オペレーターへのフォローや指導が難しく、応対品質の低下が懸念されます。

そのため通信環境や情報共有の問題を考慮し、オペレーターの品質維持を保つために仕組みやルールの策定も重要です。

セキュリティリスクへの対応の必要性

在宅コールセンターでは、個人情報の厳重な管理が必要となります。

オペレーターのインターネット環境にはセキュリティリスクが潜在しています。ウイルス感染などの問題を防ぐため、信頼性の高いウイルス対策ソフトの導入やセキュリティ対策を徹底することが重要です。個人情報漏洩は企業の信頼を損なう要因となるため、セキュリティ対策は欠かせません。

在宅コールセンターを成功させる5つの秘訣!

さいごに在宅コールセンターを成功に導く5つのポイントを紹介します。

  • リモートワークで業務ができる体制を整える
  • ルールを明確にする
  • 円滑なコミュニケーションがとれる環境にする
  • 勤怠や人事評価制度の整備
  • リモートワークに適したCTIを導入する

リモートワークで業務ができる体制を整える

在宅コールセンターの成功には、リモートワークでスムーズに業務を行うための体制整備が不可欠です。

稼働前に必要なツールを導入し、オペレーターのネットワーク環境を確認しましょう。ネットワークが不安定だと、音声の途切れやセキュリティリスクを引き起こす可能性があります。事前に対策を取り、オペレーターの出社時と同等のサービスを提供できるよう努めましょう。対策の一つとして、モバイルルーターの貸し出しも有効です。

ルールを明確にする

コールセンターを在宅化した場合、通常のコールセンターとは環境が大きく異なるため、独自のルールを設ける必要があります。

業務内容に関しては、応対方法やエスカレーションの方法など業務における細かいルールを決めておきましょう。

また、セキュリティに関するルールも重要です。USBやPCの管理方法やデータ保存の方法などを決めて、一定のセキュリティを保持することも忘れてはいけません。

円滑なコミュニケーションがとれる環境にする

オンラインコミュニケーションツールを活用し、オペレーター同士の連携と相談ができる環境を整えることも重要です。

コールセンターを在宅化した場合、近くに管理者や同僚がおらず、連絡や相談の手段を決めておかないとトラブルにつながることがあります。

とくに、リモートワーク初心者は不安を感じやすいです。

ビデオ通話やチャットなどのオンラインコミュニケーションツールを活用して、顔を見ながらコミュニケーションをとるなど、つねにサポートできる環境を整えましょう。

勤怠や人事評価制度の整備

在宅コールセンターでは、勤怠管理と人事評価制度の整備も大切です。

正確な勤怠記録と業績評価基準の明確化は、オペレーターのモチベーションを高め、業務品質向上につながります。適切な報酬やキャリア成長機会の提供で、優秀な人材の定着も促進できるでしょう。

リモートワークに適したCTI(コールシステム)を導入する

リモートワークに適したCTI(コールシステム)を導入することも重要です。オペレーターは自宅からでも顧客情報へのアクセスが可能となり、対応を効率化することが可能となります。

またCTIにより、顧客との過去の通話履歴やプロフィールを素早く把握できるため、カスタマーサービスの向上に役立てることができるでしょう。

関連記事:CTIとは?機能や導入メリット、コスト感もまとめて解説!

まとめ

在宅コールセンターは、離職率の低減や業務の効率化、BCP対策、コスト削減など企業にとってもメリットが多くある反面、通常のコールセンターとは異なる品質管理やセキュリティの問題などの懸念点もあります。

そのため、在宅コールセンターに移行する場合は、その特徴をしっかり把握し、スムーズに在宅化できるよう事前に計画することが欠かせません。今回紹介した秘訣を参考に、貴社に合った方法でコールセンターの在宅化を進めていきましょう。