固定電話がつながらない!よくある原因と6つの対処法を解説。

電話機と接続されているモジュラーケーブルを差し直すことで復旧する場合もあります。接触や移動時など、物理的な衝撃でモジュラーケーブルが抜けかかっている、差し込みが不十分になっている場合に有効な対処法です。また、ケーブルが古くなっている可能性も考慮し、新品に交換してみることもおすすめです。

企業では社内外のコミュニケーションに、固定電話を使用していることが多いです。この固定電話がつながらないと、業務進行に支障をきたすため、早急な原因特定が必要になってきます。一方で、固定電話がつながらない原因は多岐にわたり、意外と特定が難しいという側面もあります。ここでは、固定電話がつながらない原因や対処方法を網羅的に解説しつつ、固定電話の代替手段なども紹介します。

固定電話がつながらない原因

企業の電話システムにおいて、固定電話がつながらない問題は多岐にわたります。一般家庭向けの電話とは違って仕組みが複雑ですから、原因特定に時間がかかることも少なくありません。そこで、まずは固定電話がつながらない原因をリストアップしてみましょう。

相手側に原因がある場合(通話中、拒否など)

相手側が通話中である場合、固定電話がつながらないことがあります。

また、相手方が停電中である、機器が故障しているなどの可能性もあります。さらに、自社の発信用電話番号が相手方に拒否設定されている場合もつながりません。

電話機本体の不具合

電話機本体の故障や不具合は、通話がつながらない原因の一つです。ビジネスフォン内部の損傷やキーパッドの物理的故障、ソフトウェアのバグなどが挙げられます。こうした不具合が電話機に発生すると、つながらなくなる可能性が高いです。

例えば、「電源を入れても動作しない(パネルに何も表示されない)」、「異常な音が聞こえる」「画面に表示される文字や数字が乱れる」などは典型的な不具合の症状です。

モジュラーケーブルなどの不具合

本体に問題がなかったとしても、接続部分の不具合が発生している可能性もあります。例えば、モジュラーケーブルやLANケーブルの断線、損傷、端子との接触不良などです。

モジュラーケーブルやLANケーブルの不具合は、通信の中断や遅延を引き起こす可能性があります。意外と見落とされがちなのですが、ケーブルは経年劣化や損傷が起こりやすく、定期的な交換が必要です。ケーブルが劣化していると、それに引きずられてビジネスフォン本体の不具合が発生する可能性もあります。

回線に何らかの異常がある

回線自体に問題がある場合も、固定電話がつながらなくなります。電話回線事業者が定期メンテナンスを行っている場合や、インターネット回線の混雑などが具体的な原因です。また、プロバイダーの機器に障害が発生している可能性もあるでしょう。

通話中に音声が途切れる、ノイズが入る、通話が一方的に切断されるといった問題が発生しているならば回線の不具合を疑ってみましょう。

主装置・PBXに異常がある

企業向けの電話システムは「ビジネスフォン」を主装置と呼ばれるコントローラーで制御しているものが多いです。この主装置はPBXとも呼ばれ、発着信や内線通話などを制御しています。仮に主装置が故障すると、電話がつながらなくなる可能性が高いです。具体的には、電源障害やハードウェアの故障、設定エラーなどが挙げられます。

モデム、ONU(光回線終端装置)に異常がある

IP電話回線を利用している場合は、モデムやONU(光回線終端装置)に不具合が発生している可能性もあります。モデムとONUは一体化していることもあり、仮に不具合を起こすとインターネット通信が遮断され、それに伴って固定電話がつながらなくなってしまうわけです。発着信ができないだけではなく、ヤフーやGoogleなど大手のポータルサイトが閲覧できなくなっている場合は、モデム・ONUの不具合を疑うべきかもしれません。

固定電話がつながらない時の対処法

このように固定電話がつながらない原因は多岐にわたります。仮にこうした事象が発生すると復旧までに時間を要するため、対処法もおさえておきましょう。今回は、「一部の電話のみつながらない場合」と「すべての電話がつながらない場合」の2パターンで対処法を紹介します。

一部の固定電話のみつながらない場合

まず、一部の電話のみがつながらない場合です。一部の電話のみつながらない場合は比較的対処が容易で復旧しやすい傾向にあります。

電話機の電源の入れなおし

つながらない固定電話の電源を入れなおしてみましょう。電話機の電源を一度切ってから再度入れ直すことで、一時的な不具合が解消されることがあります。もし電源スイッチがない場合は、コンセントから切り離し、数分おいてから接続することで電話機が再起動します。

これで復旧する場合は電話機自体が負荷や熱で動作不良を起こしているか、老朽化で寿命が近い可能性が高いです。ちなみに、負荷や熱による動作不良の場合は、直射日光が当たる場所を避けるなど、設置場所の工夫で改善することもありますので、対応を検討してみてください。

モジュラーケーブルの差し直し、交換

電話機と接続されているモジュラーケーブルを差し直すことで復旧する場合もあります。接触や移動時など、物理的な衝撃でモジュラーケーブルが抜けかかっている、差し込みが不十分になっている場合に有効な対処法です。また、ケーブルが古くなっている可能性も考慮し、新品に交換してみることもおすすめです。モジュラーケーブルは電磁波の影響を受けやすいほか、差し込み口が腐食しやすいのが特徴です。外見上は全く異常がなくても、腐食が進んでいる可能性もあります。

電話機本体の修理、交換

以上の手順で問題が解決しない場合は、電話機本体に問題がある可能性があります。電話機自体が故障している場合は、修理や交換が必要になるでしょう。メーカーやサポート担当者に連絡し、点検と修理の相談を行ってください。

全ての固定電話がつながらない場合

次に、全ての固定電話がつながらない場合です。こちらは「設備面の不具合」が絡むことが多く、比較的深刻度が高いです。

ネットワーク機器の確認と交換

全ての固定電話がつながらない場合、ネットワーク機器に問題がある可能性が考えられます。まずは、社内ネットワークの以下のポイントを点検してみましょう。

・スイッチングハブのランプ

・ルーターやモデム、ONUの動作ランプ

これらのランプが異常を示すものであれば、社内ネットワーク障害による不通の可能性が高いです。正常・異常のパターンは機器によりますが、一般的には「すべてのランプが消灯している」「高速でかつ、一定間隔で点滅している」「普段とは違う色である(緑→赤)」などが該当します。再起動で改善することも多いですが、一度不具合を起こした機器は故障のリスクが高いため、ベンダーに連絡して点検を受けるようにしましょう。

障害情報の確認

インターネットサービスプロバイダーや通信会社の障害情報を確認し、現在問題が発生しているかどうかを確認しましょう。障害情報がある場合は、通信会社に問い合わせて対処方法を確認しましょう。ただし、この場合はこれといった対処法がなく、復旧するまで待つしかないことが大半です。別ルートの回線(スマートフォン回線など)で冗長化するなど、事前の対策が重要かもしれません。

主装置、PBXの確認と交換、修理

上記2つの対処でも解決しない場合は、主装置・PBXの再起動を行ってみてください。一度電源を切り、10~20分ほど時間をおいてから電源を再投入します。それでも解決しない場合は、主装置やPBXが故障している可能性があります。よくあるのが、メイン基板やCPU周辺の故障です。この場合は、専門知識を持った技術者でなくては対処できないため、ベンダーに連絡しましょう。特にオンプレミス型でそれなりに年数が経過している場合は、再起動で一時的に症状が改善したとしても、再発の可能性が高いです。

固定電話がつながったとしてもデメリットは残る

こうした対処によって復旧したとしても「電話システム」としての脆弱性は残り続ける場合があります。企業向けの固定電話は主装置やPBXが使用されており、これらが不具合を起こしやすくなっていると、「固定電話がつながらない」という症状が何度も繰り返されるからです。特に古いタイプのオンプレミス型PBXの場合は、次のようなデメリットが予測されます。

主装置、PBXの故障で起こる症状

企業向けの固定電話は、ビジネスフォンを利用していることが大半です。ビジネスフォンには主装置と呼ばれる部分があります。主装置は、ビジネスフォンの発着信などを制御する装置です。また、大規模な主装置はPBXとも呼ばれ、数百台から数千台のビジネスフォンをコントロールしています。

主装置やPBX自体が故障してしまうと、それに連なる固定電話の発着信ができなくなる可能性が高いです。さらに、「ノイズの発生」「音声の途切れ」などにより通話に支障をきたすこともあります。これらはPBXの老朽化によっても引き起こされ、特に耐用年数を大幅に過ぎた主装置・PBXで起こりやすい症状です。

ちなみに主装置やPBXの法定耐用年数は「6年」です。耐用年数は減価償却のための指標であり、機器の寿命を表すものではありません。しかし、一般的に耐用年数を過ぎた機械は「故障や不具合が発生しやすくなる」と考えられていて、耐用年数を過ぎたタイミングでの入れ替えを検討する企業も少なくありません。

オンプレミス型の主装置・PBXは入れ替えのコストが高く、交換費用として数十万数百万円が必要です。

メンテンナンス費用が高額

主装置やPBXがオンプレミス型(物理的な機器を設置するタイプ)であれば、メンテナンス費用の問題も発生します。メンテナンス費用は「機器の交換・修理費用」「人件費」などが含まれ、一般的には保守契約の中に含まれます。故障時はもちろんのこと、仮に何の問題がない場合であっても、毎月数万円程度は必要になるでしょう。

クラウドPBXでつながらない固定電話から脱却も

このように「固定電話がつながらない」という症状が改善したとしても、オンプレミス型の主装置・PBXにはさまざまなリスクが伴います。こうしたリスクを軽減し、コストや機能面でも利便性を向上させた仕組みが「クラウドPBX」です。クラウドPBXには次のような強みがあります。

クラウドPBXの強み

クラウドPBXは、PBXがもつ機能をクラウドから利用できるサービスです。ベンダーが用意したクラウドサーバー上にPBXが配置され、そこからPBXとしての機能を利用することから、自社で物理的な装置を購入する必要がありません。また、PBX本体の不具合対応はベンダーが行うため、修理や交換時のコストを大きく低減できます。コストだけではなく、技術者への連絡や手配にかかる時間を削減し、復旧時間を短くできることも魅力です。

さらに、クラウド型PBXの多くは「ソフトフォン・ブラウザフォン」に対応しており、PCを電話機のように使うことができます。このことから、ビジネスフォン本体の故障によるトラブルに悩まされる可能性が無くなります。

一方で、「通話品質がインターネット回線の質に左右される」、「カスタマイズの範囲が狭い」などのデメリットもあります。しかし、これは導入前の時点である程度は予測できるため、大きなリスクにはならないでしょう。

スマートフォンも使えるコールシステム「broad connect」

クラウドPBXの中には、「スマートフォン」と連動できるものがあります。この機能を活用することで、固定電話がつながらない状態であっても、スマートフォン回線を利用して業務を進められます。つまり、「不通状態」に陥りにくいのです。

例えば、弊社がクラウドPBXとセットで提供しているスマホ連動型ハイブリッドCTI「broad connect」には、「IP回線と携帯回線を使い分けて発信する機能」が搭載されています。「IP電話からは0120発信」「スマートフォン回線からはキャリアのかけ放題プランを利用した発信」など、コストや状況に応じた使い分けが可能です。また、2種類の回線を使い分けられるので、発着信が停止するリスクを最小化できるわけです。

このほかにも、「現役のコールセンターSVが監修した使いやすいUI」「業務立ち上げからアフターフォローまで一貫した伴走型サービス」などの強みもあります。

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まとめ

ここでは、「固定電話がつながらない」場合の原因と対処法、主装置やPBXの故障によるリスクなどを解説してきました。企業の固定電話は、「ビジネスフォン本体+主装置(PBX)」という組み合わせが多かったのですが、近年は徐々に「ソフトフォン・ブラウザフォン(PC)+クラウドPBX」への移行が進んでいます。クラウドPBXならば、固定電話がつながらない状態に陥ったとしても、原因特定作業の大部分をベンダーが担うため、負担が少なくなります。また、スマホ連動型のCTIと組み合わせることで業務遅滞を起こす可能性も低減できるでしょう。