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CPHとは?定義からコールセンター運用の改善方法まで徹底解説。

最近は「繁忙している割には生産性が上がらない」「架電効率が悪くてアポイントが取れない」などの悩みを抱えるコールセンターが少なくありません。限られたコストの中で効率よく生産性を上げるのがコールセンターの使命ですが、日々の作業に追われて肝心な部分に手が回らないというのが実情ではないでしょうか。

今回はコールセンター指標の一つである「CPH」に着目し、CPHの重要性や計算方法、また具体的な改善方法についてコールセンター15年のキャリアを持つ筆者が詳しく解説します。最後までお読みいただき、コールセンター運営にお役立てください。

アウトバンドコールセンターにおけるCPHとは?

アウトバウンドコールセンターにおけるCPHとは、「1時間当たりのコンタクト数」(=contact per hour)を指します。コンタクト数は電話がつながった数を意味し、オペレーターの能力やコールセンターの生産性を評価する上で、最も重要な指標の一つです。一方でインバウンドのコールセンターにおけるCPHは、1時間あたりにオペレーターひとりが対応したコール数を指すため、混同しないよう注意が必要です。

ここからはアウトバウンドコールセンターにおけるCPHの計算方法や重要性、CPHが低下する要因について解説します。

CPHの計算方法

CPHは以下の計算方法で割り出すことができます。

  • オペレーター1人の生産性を計るCPH=コンタクト数 ÷ 稼働時間

    <例>Aさんが5時間で30件電話がつながった場合

     30÷ 5時間= 6 よってCPHは6となります。

  • センター全体の生産性を計るCPH=1日あたりのコンタクト数÷オペレーターの人数÷稼働時間

    <例>20人のオペレーターが5時間で300件電話がつながった場合

     300÷20÷ 5= 3 よってセンター全体のCPHは3となります。

CPHの重要性

アウトバンドコールセンターが架電数ではなく、コンタクト数を重要視する理由は、架電数は多くても実際に顧客と会話ができなければ、アポイント獲得や成約につながらないからです。つまり、CPHの低下はアポイント獲得率の低下に直結しており、アポイント数が勝負のテレアポ業務にとっては致命的です。

コンタクト率を上げてCPHが改善できれば人員のコスト削減にもつながり、生産性を高めることができるでしょう。

CPHが低下する要因

CPHが低下している場合、さまざまな要因が考えられます。

・ずっと同じ架電リストを使っている

・顧客につながりにくい時間帯に架電している

・オペレーターの人数不足によって架電数が減っている

・システムや架電環境の不備により架電効率が悪い

これらはセンターの運営側の問題ですが、オペレーター側の問題にも注目しなければなりません。

・トークスキルの不足により通話時間が長い

・タイピングなどの能力不足により処理時間が長い

・モチベーション不足

これらの要素は全て架電量の減少を引き起こす要因となり、ひいてはコンタクト数の減少につながるため早急に対策が必要です。

CPHを確認する際の注意点

CPHを改善するためには、リアルタイムにCPHを確認することが重要です。なぜならCPHは架電する時間帯や架電先によって大きく変動するため、コールの内容によって目標値を設定し直す必要があるからです。また、CPHを確認する際は必ず数値の背景を分析して検証することも大切です。

コールセンターはさまざまな指標(KPI)を測っており、CPHはその中の一つです。数値を見ればセンターの良し悪しが一目瞭然ですが、大切なのは「なぜそのような結果になったのか」という原因を探り分析することです。病名がわからなければ薬が出せないように、コールセンターでも数値の悪化の原因が分からなければ対策のしようがありません。

例えば、CPHの数値が低いからといって単純にオペレーター数を増やしても、原因がオペレーター不足でなければ、改善するどころかコストばかり増えてしまうでしょう。また、CPHの数値は高くても肝心なアポ率や成約率が低ければ本末転倒です。CPHを判断する際は、数字だけでなく他のKPIやオペレーターを取り巻く環境などを含め、総合的に判断することが大切です。

CPHを改善する5つの方法

アウトバウンドコールセンターにおいてCPHを改善するためには、架電効率を上げてコンタクト数を増やすことが先決です。そのためには、オペレーターの能力を最大限発揮させるための架電環境の整備や研修が欠かせません。ここではCPHを改善する方法を5つ紹介します。

架電リストを更新する

テレアポ業務で真っ先に取り組むべき作業は、架電リストの更新です。なぜなら、架電リストの精度や鮮度がコンタクト率を左右するといっても過言ではないからです。

「おかけになった電話番号は現在使われておりません」という架電先が多かったり、ターゲットと異なる属性の相手に架電していたりと、効率的なテレアポをすることはできません。また同じ方に何度も架電しても、出ていただける可能性は低くなっていきます。リストを更新するだけでも架電効率が上がり、オペレーターの負担も軽減できるため、常に新鮮なリストにしておくことが大切です。

架電する時間帯を見直す

コール数は十分かつ、定期的にリストの更新をしているにもかかわらずコンタクト数が低い場合は、架電する時間帯に問題があるのかもしれません。例えば架電先が企業であれば、9〜10時の始業時間帯は避ける、飲食店なら11〜14時のランチタイムや18時以降のディナータイム以外に架電するなどの工夫をしてみると良いでしょう。

また、電話のつながりやすさは顧客の属性や季節によっても変動するため、CPHをリアルタイムに把握し、CPHが高い時間帯に集中して架電するのも効果的です。

トークスクリプトを見直す

CPHの改善にはトークスクリプトの見直しも効果的です。なぜなら無駄な会話を省き、順序立ててクロージングに導くことで通話時間の短縮になり、コール数を増やすことができるからです。また、CPHは高いのにアポイントの獲得率が低ければ、スクリプトの内容に問題があるのかもしれません。トークスクリプトを見直す際は、成約率の高いトークをベースとし、どの段階で断られているかを分析しながら随時見直すことが重要です。

ACWを改善する

ACW(平均後処理時間)は、コールセンターにおける重要なKPIの一つです。ACWが改善されてコール数が増えればコンタクト率が上がり、CPHが改善される可能性が高くなります。ACWはタイピングの速度や経験値など、オペレーターの能力が大きく関わってくるため、訓練次第で改善できる指標です。1人のオペレーターがACWを1秒縮めるだけでも全体に与える影響は大きく、成果の出やすい改善方法と言えるでしょう。

システムを整備する

CPH向上につながる機能を搭載した「CTI」を導入するのも一つの方法です。

アウトバウンド特化型CTI「broad connect」では、CPHを向上させる機能が多く備わっています。例えば、稼働時間を基にCPHをリアルタイムで集計することが可能です。数値を把握することはCPHを向上させるための最初のステップと言えるでしょう。またコンタクト率が高い曜日や時間帯を分析する機能もあります。曜日や時間帯に応じて架電先を変えることによってCPHを大きく向上させることが可能です。それに加え、オートコール機能も搭載しているためコール数を大幅にUPさせることでCPHの向上も見込めます。

初期費用はかかるものの、長い目で見るとコストパフォーマンスの高い方法と言えるでしょう。

broad connectの詳細はこちら

まとめ

CPHの改善はアポイントの獲得率や成約率につながる重要な指標であり、アウトバウンドコールセンターにとって真っ先に取り組むべき課題です。まずCPHの現状をリアルタイムに分析して問題点を明確にし、課題に応じた対策を早急に実施することが大切でしょう。また、CPH向上のためにシステムや架電環境を改善することはオペレーターの離職率を低下させ、人件費などのコスト削減にもつながります。

生産性の高いコールセンターを目指して、今日からさっそく始めましょう!

執筆者:kinyan.net